「少しでも安く買いたい」
「少しでも高く売りたい」
これは不動産の売買においては永遠のテーマです。
皆さんは一生で何度も機会のない、高額のお買い物、
少しでも上手に、少しでも安く購入したいですよね?
今回は、「売主様に伝わる」価格交渉のコツを、年間100組以上のお手伝い実績がある私がお伝えいたいます。
結論:値引きのコツは、売主様に強い意思を伝えること
値引き(価格交渉)のコツは売主様に「本気」だということを伝えることです。
その為の価格交渉のコツは5つ(+1)あります。
価格交渉は、「いくらになりますか?」というだけは売主様には答えてもらえません。
売主様だって、買いたいと言ってくれた人には、納得して売りたいのです。その結果値段を下げてでも、です。
その為に、売主様が決断しやすくなるよう、5つにポイントを伝える必要があります。
順番にお伝えしていきます。
金額は買主側から提示する
売主様に
「いくらになりますか?」
と聞いても
「いくらなら買いますか?」
としか返ってきません。
基本的には価格の交渉金額は買主様側から提示をすべきです。
どのくらいの価格交渉なら適正か
そのくらいの価格交渉が普通ですか?
ともよく聞かれますが、売主様の事情がそれぞれ違うので、一概には言えません。
ただし、不動産の価格というのは「2,980万円」といったように端数表示の販売価格が多いので、
「端数切り」もしくは「建物代金の5%前後まで」
というのが不動産屋の一般的な認識でしょうか。
2,980万円の場合は、2,900万円(端数切り)、もしくは2,850万円(約5%引き)というところです。
もちろん金額帯や売主様の金銭事情にもにもよりますが、このくらいなら一般的なケースかと思います。
不動産会社に聞いてはいけない
でもどの程度交渉していいか分からないから、まずは不動産屋に聞いてみようというのは、普通の事です。その不動産屋が売主様側の窓口になっている場合、売主様から「ここまでの値引きなら一応考えている」とか「一銭も引くつもりはないから、そのつもりで」といった話を事前に聞いていることもあります。
ただそれも、あくまでもその時点での事情による話なだけで、もしかしたら実際はそれ以上交渉は出来るかもしれませんし、全く出来ないかもしれません。
また仲介の不動産屋は仲介手数料がメインの収益であり、それは「成約金額」によって、国で決められています。

ですから、事前に聞いていたとしても残念ながらそれを目一杯教えてくれるかどうかは分かりません。
結局不動産屋の所有物ではありませんし、かつ大きなお金が絡むことですので、どちらにしても売主様の本心は、不動産会社には分からないのです。
だからご自身が納得できる金額で交渉してもらうほうが、後で後悔はしないと思います。

実際私も

伊吹君に200万円までの値段交渉なら全部任せるから、上手くやってよ
と言われたことがあります。信頼に応えるべく、一生懸命に紹介活動をしました。
その甲斐もあり、買いたいお客様が現れましたが、希望の住宅ローン額が減額になったため、任せていただいた目一杯200万円の価格交渉幅を使わせてもらい購入申し込みを貰いました。

裁量の範囲だし、これで商談はまとまった!
後は契約日時の調整だけかな
るんるん♪♪
と売主様にご報告に行きました、が、

任せるとは確かに言ったけど、
反響も多いみたいだし
もっと高く買ってくれないか再度交渉してくれないか
と申し受けました。
売主様だっていざ大きなお金の話になれば、その時の事情や状況によって気持ちは変わるものです、結局のところお腹の底までは見えないものと思っています。
ではとりあえず、ダメもとで大きな交渉をしたい
価格交渉はすぐ纏まれば良いのですが、基本はキャッチボールです。
その中で
「どうせ通らないだろうけれど、ダメもとで大きな金額の交渉したい。」
と、これも価格交渉のテクニックだという気持ちも分かります。
もちろん希望ですから、それ自体は可能です。
ただしリスクもあります。

いきなりこんな大きな金額交渉をしてくるなんて、なんて失礼な人かしら。
この話は無かったことにして下さい。
となってしまうと、本当はもう少し上の価格でもで買うつもりがあり、本来キャッチボールが出きたかもしれない売主様でも、そこで交渉が打ち切りになってしまい、二度と交渉できるチャンスを失う可能性もあります。

いや、実はもう少し高くても買いたいんです、、

じゃぁ最初から、そういう風に言ってくださればいいのに、、、もう信用できませんし、結構です。
ではどの金額なら失礼に当たらないか?
これもよく聞かれますが、先ほどの話と同じで、結局不動産屋には分からないのです。
もちろんその中で、お互いの妥協点を見つけるもの不動産の仕事ですが、
お金が絡むことは、本当に難しいです。
経験で教えて欲しいともいわれますがお金に関して、経験程あてにならないものはありません。
価格交渉はリスクでもある
すごく気にいったけど、価格交渉をしたい。

本当はそのままの金額でも買ってもいいけど、とりあえず100万円の金額交渉で購入申し込みをしよう。
そこに

他の方から金額交渉なしで購入申し込みが入りました。
そちらの方に売ります。

えーちょっと、待って。
私もその金額で買いたいです。

じゃぁ最初から、そういう風に言ってくださればいいのに、、、
最初からその金額を出してくれた方に売ります。
待てないのです。
ですから、交渉額の大小に関わらず、
価格交渉にはリスクがあるということは覚えておいてください。
その上で納得できるか、妥協できるかはよく検討してほしいと思っています。
手付金がいくら用意できるか提示する
手付金とは、「契約行為に対する証」であるとともに、「手付解除」のための頭金のようなものです。(下記記事参照)

本体価格の1割(10%)程度が相場ですが、これが用意できないと原則契約自体が締結出来ませんし、少ない場合も売主様にとってはリスクになり得ますので、ご用意出来る金額を提示してください。
あまり手持ちの自己資金が無い場合でも、仲介手数料+αくらいあれば、不動産屋がなんとかしてくれます。
でも「0」だと価格交渉以前のお話になってしまいます。
契約希望日を提示する
この価格交渉が通れば「この日には契約をします」という意思表示です。
もし「この価格交渉が通れば1か月後に契約します」、では売主様は困ってしまいます。
その1か月間は「契約予定」として他の方にも紹介できないですし、でも契約が終わってないから手付金も受領できない、万が一「やっぱりやめます」と言われても何の担保もないリスクが一番高い期間になるためです。

都合にもよりますが、1~2週間後には契約するという日程の提示が良いでしょう、価格さえOKもらえれば、こちらは準備と覚悟が出来ています!という意気込みを見てもらうイメージです。
もちろん、値引きする、と決めた売主様の気が変わらないうちに契約する、という事でもあります。
引渡し希望日を提示する
こちらも、契約は1週間後にするものの、「引渡しの希望は1年後です」、といわれたら、その間の維持管理や経変劣化による、売主様側のリスクが高くなるため、交渉には大きく影響します。
引渡しが早い分には問題はありませんが、住宅ローンを利用する場合、もしくは売主様の抵当権が設定されている場合は、事務手続きの関係で1か月は必要ですので、ご注意ください。
お互いの事情にもよりますが、大体1か月~2か月程度が一般的です。
「売主様の都合に原則合わせます。」というのもアピールの一つです。
※ただし事前に不動産屋に急いでいるのか、遅いほうがいいのかは聞いておいてください。
住宅ローンの事前審査の結果を提示する
現金で購入される場合は不要ですが、住宅ローンを利用される場合は
「○○銀行 △△支店 金25,000,000万円 借り入れ予定」
■月◇日 事前承認済み
ここまで提示してください。
多くの不動産屋では、事前の審査が通っていないと、申込を受け付けてくれないとは思います。
これは資金計画が成り立つかどうかの確認と、ローン特約の売主様に対する担保のため(下記記事参照)です。

これも、私はきちんと事前審査通っていますから、資金計画は大丈夫ですよ、というアピールになります。
+α その他条件・希望事項
例えば、
- 物置は処分されるならば、引き受けたい
- カーテン・照明も処分されるなら引き受けたい
等々のお話です。

価格交渉を成功させようと思ったら、なるべく、売主様の負担は引き受けますよ、というスタンスを示すことは重要なアピールになります。
まとめ:状況を整えて、売主様が検討しやすくする
一方的に価格交渉の金額を伝えても、売主様は検討が難しいのです。
そこで、契約日・引渡し日・手受け金・ローン審査状況も併せて伝えることにより、売主様にも覚悟を決めてもらいやすい状況を作ってあげましょう。
大きな買い物です、納得できる金額で購入したいですよね。
この記事が少しでも参考なれば嬉しく思います。
この後、
「売主様必見!価格交渉をかいくぐり、出来る限り高く買ってもらうためのテクニック3選」
とか記事にしても怒らないで下さい、笑
ではまた!