不動産屋から住宅ローンの事前審査をやたらと急かされる理由とは【物件選びよりも先?】

不動産「購入編」

不動産の購入において、住宅ローンの利用するケースは多いはずです。

そんな中、不動産の見学に行った際に不動産屋からやたらと

物件探しも大事ですが、「先」に住宅ローンの事前審査受けましょう

と勧められたことはありませんか?


まだ大した信頼関係も出来ておらず、物件もそこに決めたわけでもないのに呪文のようにどこの不動産屋に行っても同じことを言われる経験をされた方も多いのではないでしょうか。

しかしそこにはきちんとした理由があります。
今回は不動産屋からやたらと勧められる「住宅ローンの事前審査」について不動産業界歴25年の私が、その理由について解説をしていきます。

スポンサーリンク

結論:住宅ローンの事前審査が完了していないと、購入申込が出来ないから

もしもあなたがとても気に入った不動産と出会え、考えている予算にも収まりそう、となった時には不動産購入の意思を書面に記載し、売主様に提出しなければなりません。
書面で意思表示を行わないと、口頭では証拠にならず、下手をすると他に人に取られてしまうからです。

しかしここで問題があります。

住宅ローンを利用して購入を検討している方が、この時点でまだ事前審査の承認を得ていないと、そもそも購入申込を売主に受け取ってもらえないのです。

何故でしょうか?

住宅ローンの事前審査

それは、住宅ローンの事前審査を行っていない方は、売主様からすると「現時点では買えるかどうか分からない購入希望者」だからです。要するに「買える保証を見せてください」ということです。

だから購入の申し込みについては原則「住宅ローンに事前審査の承認」が必要になります。

住宅ローンを利用して購入するという方にとって、住宅ローンの事前審査の承認とは「銀行が融資をしてくれる証明書」なのです。

つまりそこで初めて「購入申し込みの権利発生」となるのです。

なぜ事前に必要なの?
購入申し込みしてから審査すればダメ?

という疑問を持たれる方もいらしゃるかと思います。

購入申込前に事前審査の承認が必要な理由

購入申し込みを受けるということは、一番手で商談をする、という言う意味であり、その間は他からの案内を止めることもあります。

しかし、住宅ローンの事前審査にはある程度の日数を要するのです。
まず物件や収入に関する必要な書類を揃えなければいけませんし、揃えたらそこから必要な内容を審査用紙に記入(またはネットから直接入力)してから結果が出るまで1週間程度かかります。
ネット銀行などでは審査に2~3週間かかることもざらにあります。

ですから「承認を待つ間を、あなたのために物件を止めて(キープして)おけないですよ」という意味です。
(売主様はそんな言い方しませんが)

その間に他から良い条件の申し込みが入る可能性があるので、販売機会の損失を考えると審査を受けていない方からの購入申込はそもそも受け取って(検討して)もらえないというわけです。

銀行に住宅ローンの相談

でも銀行に相談に行ったら口頭で「大丈夫でしょう」と言われましたけど、ダメですか?

基本的には口頭ではダメです。

住宅ローンの審査で見られるのは、勤務先や勤務年数、年収や資金計画になります。それらはの情報を聞けば、なんとなく銀行の担当なら「この金額なら貸せるな」などは分かるのですが、大事なのは

個人信用情報」です。(通称「個信」)

これは実際に審査しないと分かりません。

過去にあったのは本人には全く身に覚えがなかったにもかかわらず、どうやら「個信」でひっかかってローンが否認されたという話です。
よくよく色々と確認してみると、身内(親)が勝手に保証人にしていたとか、別れた旦那が勝手に名前を使って借りていて遅滞しているとか、昔にクレジットカードの支払いが遅れたとか、携帯の支払い遅れが続いていたなどなどありました。
※携帯の支払いも割賦販売でれっきとしたローンの一種です。

結婚前に、結婚後に住む予定のマンション購入の際に、住宅ローンが通らず、理由を調べていくとご主人さんの過去に色々とあり、知らされていなかった彼女がブチ切れて、結果結婚自体が破談になったという怖い話も体験したことがあります。

ですから「個信」が大事になるわけですので、口頭での回答には(売主様にとっては)何の効力もないのです。

購入物件が決まってから住宅ローンの審査?

物件探しより先にローンの審査?

とはいえ

どこの物件を購入するのかどうか決まっていないのに、住宅ローンの審査は出来ないのでは?

と思われることでしょう。

不動産屋の答えとすると

似たような感じの物件ならどこでもいいので、とりあえず事前審査を受けて承認を貰っておきましょう。

ということになります。
(銀行に「買いませんけどとりあえず」とは言ってはダメですが、、)

大事なのは「承認を受けているという事実」です。

大体検討している物件は似たような価格帯や地域なので担保価値もそう大きく変わらないことが多いですし、そもそもマンション購入希望者が急に土地を購入したくなるというケースは稀だからです。

ただし、その物件の資料や謄本取得、資金計算書などは不動産屋の協力がある程度必要だと思いますので、どこを買うかとは別にしてある程度信用できそうな不動産屋に依頼するのが良いと思います。

これに非協力的な不動産屋は正直「買うかどうかも分からない客に協力するのは面倒だ」と思っているので、今後の付き合いも考えてやめておきましょう。
担当自体を変えてもうらうなり、それが言い辛ければしれっと支店やセンターを変えるなり、何なら不動産屋自体を変えても良いと思います。

住宅ローンの事前の承認を貰っておき、購入申し込みをしながら、並行してその物件で改めて事前審査を出す、ということはよくあります。

住宅ローンの事前審査が事前に必要なもう一つの理由

ちなみに住宅ローンの事前審査の承認を得るということは、売主様にとってもう一つメリットがあります。

住宅ローンを利用して購入する契約において、万が一、契約後の本審査で銀行から否認された場合は契約時にさかのぼって「白紙解約」になるという
「住宅ローン特約による解除」という条項が存在します。

【違約・違反】不動産売買契約後に自己都合で解除できる?【手付金】
不動産を購入(売却)したけれど、様々な事情で契約を解除(解約)しなければいけない時もあると思います。そして解約というのは、やはり相手方にとって望ましいことではなく、きちんと対応しないと、大きなトラブルになることがあります。ここを見...

売主様からすると売主からすると、契約したのにそこから1か月後に白紙解約となれば、違約ではないので違約金もとれませんし、手付金も返還しないといけませんし、そもそもまた一からの販売となるわけで多大な労力だけが残ってしまいます。
※住宅ローンを貸す・貸さないという話は銀行側の都合であり、買主自身の都合ではないという理屈によります。

だからこそ事前審査は重視されるのです。
事前審査さえ通っていれば、よほどのこと(※)がない限り本審査もすんなり通るからです。

※契約後に消費者金融でフリーローンを借りて焦げ付かす
※契約後に車をローンで購入する
※契約後に会社を退職する

そして売主は「住宅ローンの利用の特約による解除」による白紙解約に怯えなくて済むのです。

まとめ:物件の取り合いに勝つためにも、事前審査は必要

不動産というのは、それぞれこの世に一つしかないものです。
そしてコロナ禍において、2021年度の首都圏の新築マンションの1戸あたりの平均価格が6,360万円となり、バブル期の1990年度(6,214万円)を超えて過去最高となった、というニュースも出ました。

今後新築マンション価格が下がらない4つの理由#2022年度版【今買うべき?】
今新築マンションの購入を検討されているあなたは、ここ数十年、平均価格が上がり続けているのをご存じですか?データを取り始めた1970年以降、基本的に平均価格は右肩上がりで上昇を続けています。ここであなたがビックリするデータをお見せし...

これからますます「良い」物件は取り合いになるでしょう。

とても気に入った物件が出てきたときに、そこから住宅ローンの審査をしていたら、その間に他の方に取られてしまう可能性だって大いにあります。
不動産業界には「あなたが気に入った物件は、他の誰か5人も欲しいと思っている」という格言があるくらいです。

そのためにも、事前審査は通しておかないと、そもそものスタートラインにすらつけないのです。

不動産屋がやたらと住宅ローンの事前審査を勧めてくるのは決して銀行からバックマージンを貰っているわけでもはありません。(絶対に銀行はそんなものくれないと思いますが)

単純に、「限りある不動産で、チャンスを逃さないために」、というまさかの親切心だったのです。

いつどんな不動産が売りに出され、どこに縁があるかどうかなんて誰も分かりません。

だからこそ住宅ローンの事前審査は、数少ないあなたが自力で出来る「縁を逃さないための武器」なのです。

幸いにして世の中には不動産屋にいちいちいかなくても取りあえず住宅ローンの比較が出来るところがあります。

三井のリハウスで住宅ローンの相談をしてはいけない理由【リハウスローンサービス】
三井のリハウスといえば不動産仲介事業の売買仲介取扱件数において、35年連続(R3年時点)で全国No.1の実績を誇る、昔からCMでも有名な大手仲介会社です。「三井のリハウス~♪」と書けば、誰もがあのメロディーを思い浮かべることでしょう。...

「モゲチェック」は住宅ローンの一括比較サイトです。
スマホやPCでネットバンク、大手銀行、地方銀行などの主要金融機関から登録情報をもとにピッタリの提案が受けれます。

登録情報と銀行の審査基準をもとに、主要銀行を一括比較してくれるので各銀行を回る労力も軽減できますし、同じ説明を何度もするという手間も省けます。
まず住宅ローンをこれから検討される方は一度利用してみてはいかがでしょうか。

利用は無料で、入力時間はおよそ5分程度です。

上手く使って、後悔のない物件選びが出来ると良いですね。

当ブログでは他にも、不動産購入時に役に立つ記事を掲載しております。
不動産業界歴25年の私の知識のおすそ分けです、よければ参考にして下さい。

不動産屋がネット銀行の住宅ローンをオススメしない本当の理由と最新金利情報【2022年6月版】
ネット銀行の金利が凄いことになっています。10年固定でも0.5%を切る金利が出た時期もあります。しかし住宅ローンの相談をした時、多くの不動産屋はネット銀行をオススメだとは言ってくれません。これは何故でしょうか。ネット銀行だと普通の...

ではまた!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
不動産「購入編」 不動産業界「裏側・真実編」
スポンサーリンク
エネミー伊吹をフォローする
この記事を書いた人
エネミー伊吹
エネミー伊吹

不動産業界25年の現役不動産屋。
大学卒業後、住宅メーカーに就職し1年目に全国新人トップを取る。その後自身で設計した間取りで、実家を建て替える。
20代後半から土地活用会社にて賃貸と賃貸市場のマーケティングを担当する。
現在は仲介不動産会社に勤め、年間200件前後の不動産に携わり、毎年100組以上のお手伝いをする傍ら、ブログを書く日々を送る。
いちごを育てながらカステラを自分で焼く。甘党。

エネミー伊吹をフォローする
不動産屋はお嫌いですか
タイトルとURLをコピーしました