自分の大切な不動産、どうせ売るなら高く売りたいですよね?
でも『不動産 高く売る方法』で検索すると、大手仲介業者や一括査定サイトの公式HPばかりが出てきて、要は「当社で査定をすれば高い査定です」とか「当サイトから一括査定をして不動産屋同士競い合わせましょう」的な事ばかり書いてあります。
間違いではないのですが、それはどちらにしても通る道であって、鉄道会社が改札を通れば目的地に早く着きますと言っているのと同じです。(違う気がします)
今回は不動産歴25、毎年年間70件ほどの不動産を売却している私が、一括査定以外の方法について、「少しでも相場よりも高く売る方法」を2パターンお伝えします。
お金をかけずに出来る方法と、1ヶ月10万前後の費用で100万以上高く売れる方法の2つをお伝えします。どちらもきちんと実践済みです。
ただし「相場より高く売る」ことだけにフォーカスを当てているので、いつでも、誰にでも使える方法ではないことをご容赦下さい。
それでも最後には「裏技」も少し載せてみましたので、最後までご覧下さい。
無料:相場より高く売るには競合物件が少ない時期に売る
相場より高くれるかどうかは、競合があるかないかでほとんど決まります。
競合物件が多ければ多いほど、価格競争の原理が働きますので、相場か相場以下でしか決まらなくなります。皆が相場より高く出していれば良いのですが、往々にしてそうはならないどころか、「我先に」とか値下げ合戦が始まってしまうと、当然一人だけ相場より高く売る事は難しくなります。
※閑散期の方が高く売れているよという詳しい記事も併せてご覧ください。

特にマンションはその傾向が顕著ですが、いくら良いお部屋であっても、同じ階で同じ間取りの部屋が出てくれば、比較対象・競合物件となるため、ある程度その価格に合わさざるを得ません。

ある程度売出しの時期が決まっている方も多いと思います。ではその中でどうやって、少しでも競合が少ない時に売りに出せるか、具体的にその時期を見極めるためにはどうすればいいか。
それは不動産屋に聞いてみてください。
皆さんがホームページやポータルサイトを見ているだけでは「点」は分かっても、「線や面」では分かりにくいと思います。ホームページやポータルサイトに載っている物件は、契約が終わるまでは消えませんので、一杯競合物件出ているなぁ、と思っていても、既に全部売れているかもしれないのです。
不動産屋であれば毎日新着物件、成約物件の動向はチェックしていますし、横のつながりで情報交換もしているため、どの物件が競合で、どのくらいの量が出ているのか、詳しくアドバイスしてくれると思います。
いつでも使える方法では決してありませんが、ある程度時期を選べるなら、なるべく競合が少ない時期に売り出してください。お金はかかりませんし、誰にでも出来ます。
もちろんこの方法は、今から閑散期を待つ余裕はない、という場合は使えません。
その場合には次の方法があります。いつでも使える方法ですが、お金がかかります。
有償:ホームステージング(在宅ステージング)で差別化を図る
ホームステージングという言葉はご存じですか。簡単にいうと
『家具小物レンタルによる自宅のモデルルーム化(演出)』です。
もっと端的に言うとネット上の写真を演出し、素敵に見せることで競合に対して差別化を図るという事です。
僅か6秒で物件の印象は決まります
内覧写真の善し悪しは、案内件数に直結します。
※インターネットの掲載内容で売れるかどうか9割決まるという記事でも触れています。

ホームステージングはアメリカでは1970年代から積極的に採用されており、アメリカではホームステージングなしでは不動産が売れないとまで、言われています。
日本でもここ数年で普及の兆しを見せ始めており、特にリフォーム済み物件では積極的に取り入れられています。実際私も昨年だけで個人の方に5件のステージングのご提案をし、成約まで至っています。
日本ホームステージング協会では次の5つの効果があると記載されています。
- 内見者数が増加する
- 売却期間が短くなる
- 物件本来の価値を見てもらえる
- 部屋の使い方の提案ができる
- 価格の下落を抑えられる
空家の場合
家具や小物、観葉植物をレンタルで設置して、モデルルームのような部屋に仕上げます。
その状態で、写真を撮影し(ステージング会社によってはプロカメラマンによる撮影までがセットになっているプランもあります)、それをHPやポータルサイトに掲載をします。
当然他の中古物件よりは、写真で目を惹きますし、HP上の滞在時間も増えるため、問い合わせはとても多くなります。
実際私が担当したお家はステージング前と比較して、価格を100万円上げたにも関わらず、1.5倍~2倍問い合わせが増えました。

でもレンタルでしょ?その期間内には売れなかったらどうすれば?
もちろんレンタル期間が終われば返却しないといけません(とはいってもステージング会社が取りに来るだけですが)。
しかし写真はずっとそのステージングされた写真を掲載し続けますので、最初の第一印象、イメージアップの効果は継続します。
レンタル家具は無くなっても、そういう風に家具を配置すればこのようになる、という事実は変わりませんので問題はありません、その部屋のポテンシャルを見てもらっているだけです。
実際1件はレンタル期間終了後に成約になっています。
実際の実例をご覧下さい。




これらは全て中古住宅です。
居住中(在宅)の場合
まだ住んでいるから、家具は簡単に移動出来ないし、荷物もあるから奇麗な写真なんて撮れない、とお悩みの方も多いはずです。
そういう方にも「在宅ステージング」という方法がきちんとあります。
空家とは違い、インターネットで多くの方に見てもらうために、見られては困るような個人情報は隠して、家具の配置によって部屋を広く見せ、素敵な生活を想像できる演出が必要です。
このような演出もホームステージングなのです。
ステージングの会社にもよりますが、カメラマンと担当がご自宅に伺い、リビング・ダイニングスペースと水回りを中心に、家具レイアウトを変更したり、お片付けしたり、お持ちの小物で飾りつけをしながら写真を撮影していきます。だいたい所要時間は約3時間程です。

でもここで生活しているから、この綺麗な状態は維持できないです。
子供が遊ぶし、散らかすし、、、
こちらもあくまでもインターネット上には演出した状態で掲載され続けますので、その後は可能な限り維持する程度で大丈夫です。
大事なのはホームページに記載されている写真です。写真は嘘でもなんでもなく、間違いなくそのお部屋のポテンシャルを表しているのです。
※さすがに居住中のお家の写真は掲載できませんので、よければホームステージング会社のHPで実績例などご覧下さい。
ホームステージングの費用は3ヶ月で20~30万円前後
お部屋の大きさ(戸建かマンションか)やプランによっても変わってきますが、概ね1ヶ月10万円前後です、3ヶ月くらい設置されている方も多いですが、あくまでもインターネット上の写真のためと割り切った場合2か月程度にとどめておいても良いかもしれません。
※1か月だと割高なプランが多かった印象です。
最多利用価格帯は15~20万円程度というデータもありますのでご参考下さい。
決して安いとは言いませんが、販売時期に関わらず「いつでも」利用でき、かつリ相場より高く売るチェレンジが出来ます。
それだけでなく上記の5つのメリットも生かされます。
大手仲介会社で、野村の仲介+でおなじみの「ノムコム」のホームステージングサービスでは、プロによるインテリアコーディネート提案に定評があります。
本来の価値を見出し、スムーズな売却のサポートをしてくれます。
※野村の仲介+へのご相談はコチラから

こんなステージング会社には要注意
まだまだステージング黎明期ですから、変な会社は少ない印象はあります。
しかし以下のような提案されたたら要注意です。
・期間の長いステージングをやたらと提案してくる
⇒ステージングしたら、売却期間が短くなるはずではなかったですか?
・カタログの写真の時点で、イマイチ
⇒カメラの性能なのか、腕なのかはセンスなのかは知りませんが、カタログHPでダメならもうダメです。
リフォームして相場より高く売るのはおススメしない

ステージングはレンタルだし、それよりリフォームして高く売るという事は可能でしょうか?
個人的にはお勧めできません。
一般の方のリフォーム費用だとお金をかけた分を価格に反映させることが難しいためです。
利益を出そうと思ったら、市場価格のリフォームでは合わないからです。
また、リフォームは好みもありますし、かけた費用にさらにプラスをして売ることは難しいです。
※古いところはリフォームして売るべき?という記事はコチラ

まとめ:ホームステージングの代わりの100均ステージングでもOK
誰もが使えますが、いつでも使えない閑散期、もしくは競合が少ない時の売り出し開始。
いつでも使えますが、費用がかかり誰でも使えないホームステージング。
これはあくまでも考えるきっかけです。
例えば、ホームステージングは費用的に難しくても、今回ホームページの写真の印象の大切さはご理解いただけたと思います。
費用が難しければ、ご自身で家具の配置を少し変えてみたり、それこそ小物(100均でも全然良いんです)で簡単な演出してもいいんです。実際私も、100均でこまごまと揃えて空家で100均ステージングしてますが、とても印象はいいです。
要は、少しの工夫で相場より高く売れるチャンスは掴めるかもしれないという事です。
玄関に観葉植物(100均)を置いて、見学者の目に入りそうなところにアクセントの利いた小物(100均)を置いてみたり、、、
今の武器だけで戦わなくても良いのです。誰もが出来る事なのに、多くの人はやっていません。
差別化を意識しましょう、より高く売ることを一緒に目指しましょう。
最近の100均はなんでもある!(浅い)
100均ステージング協会の会長より
ではまた!