【文化財?】家を解体したら地下から防空壕が出てきた話【誰のもの?】

不動産「売却編」

皆さんは、家の地下から防空壕が出てきて困ったことがありますよね?
、、、ごめんなさい、ないですね。

先日、Aさんという方に「古家付き土地」を購入いただきました。
購入後解体をし、家を建築する予定でした。

引渡しが終わり、Aさんが家を解体したところ、驚きの連絡が入りました。

Aさん
Aさん

家を壊したら防空壕が出てきた。

伊吹
伊吹

え?

Aさん
Aさん

家を壊したら防空壕が出てきた。

伊吹
伊吹

えええ?

Aさん
Aさん

家を壊したら防空壕が出てきた。

どうしよう?

伊吹
伊吹

ええええええええ!!!???

現地に確認しに行ったところ、確かに家があった場所の下に大きくはありませんが空洞がありました。
高さ2mほどで、幅は2m程の、5人くらいが入れそうな防空壕と思われる空間でした。
どこかに繋がっていそうな様子もなく、一部レンガの壁部分もありましたが、大部分は土のままでした。

中にはろうそくの燃えカス2本分と、雑巾のような黒い布が1枚あっただけでした。

イメージです

私も20年以上の不動産の経験がありますが、家の下から防空壕がでてきたのは初めての経験でした。
そうえいばお家がとても傾いていたので、家としての販売が難しいと判断し、古家付きの土地として販売したのですが、地盤沈下の遠因もしくは直接的な原因になっていたのかもしれません。

固まっていても仕方がないので
今回防空壕というものをこの目で初めて見た私が、不動産屋としての確認をしましたので、お話させていただきます。

これを見れば、もし自分の土地から防空壕が出てきても慌てなくて済みます?
もし自宅に防空壕あるよ!という方は是非ご覧ください?(いるのか)

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結論:地域によって防空壕に対する認識が異なる

今回、各行政や、団体に確認を取りましたが、地域によって防空壕に対する認識が大きく対応が異なっていることが分かりました。

以下の項目について解説していきます。

  • 売主様は知っていたか?
  • 土地の瑕疵(隠れた不具合)に該当する?
  • 不動産会社として調査ミス?
  • 防空壕は誰のもの?
  • 防空壕は文化財?
  • 結局この後どうすればいい?

売主様の告知義務は知っていれば有

弁護士先生に相談したところ、もし売主様がこの事実を知っていたにも関わらず、買主様に告知せずに売却した場合は、おそらくその影響(再建築時に想定していない大きな追加費用発生)から告知義務違反になるのではないかという見解でした。(もちろん規模にもよります)

※告知義務については下記記事参照

【事故物件】心理的瑕疵あり不動産の告知義務【キーポイントはご近所にあり】
不動産を検討する中で、その物件が「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」と言われたら何があったのか気になりますよね? また、これから売ろう(貸そう)としている不動産が「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」に該当するとき、売れるのか(貸せるの...

売主様に、防空壕の事を聞いたことがあるかどうか聞きましたが、60年ほど住んでいるけど見たこともないし、親からも聞いていないとのことでした。
60年前当時は庭だったところに、40年ほど前に売主様が家を建てた、という経緯です。

もちろん今までにその周辺でも沢山の建築がされてきましたが、防空壕が出てきたという話は私も一度も聞いたことがありませんでしたし、地域の不動産屋にも聞いてみましたが聞いたことも無いようでした。

更にご近所の方にも聞き込みに行きましたが、戦時中の事をご存じの方自体が少なく、そういったお話は聞けませんでした。
※ちなみにとある行政では、昔実際に空襲があった地域が記録に残っていたりもしますが、その事実自体がタブーとなっており、もし知っていてもお話になられないケースがあります、との事でした。

土地の瑕疵に該当する可能性大

これは土地の瑕疵(隠れた不具合)に該当します。
防空壕に限らず、空洞があった場合も該当するでしょう。

売主に修復を求めても良いですが、その防空壕(空洞)の規模によっては家を建築するという本来の目的が達成できないため、売主様がご存じなかったとしても契約自体を解除することも可能です。
さらに解除に伴い、被った損害につても損害賠償請求が出来ます。

ただし今回、Aさんというのは宅建業者であり、「買取」の契約でした。
「土地の契約不適合責任(瑕疵担保責任)免責」という契約でしたので、今回それは利用する事は出来ませんでした。

不動産買取の仕組みに迫る#メリット・デメリット【実は査定額の○○%】
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もし事前に分かる資料が無ければ調査ミスではない

今回の件で、調査できたのにも関わらず、調査不足のせいで見逃していたのならば当然不動産屋に責任があるということになります。

そこで、県や市など行政の建築指導課、都市計画課、文化財保護課化から、更には町内会や消防局、果ては警察、自衛隊に至るまでありとあらゆる考え得る調査先に、資料として「防空壕跡地マップ」といったようなものがあるのかどうか聞きましたが、

どこにも存在しませんでした。
※少なくとも今回の該当地域においては

上記の通り、周辺住民に聞き込みをしたとして、事前に分かれば良いのですが、そうでなければ分かりようもなく、結果として考えうる調査をしたとしても事前に発見するのは困難であり、調査ミスではないと結論付けました。

防空壕は誰のものか、可能性は2パターン

色々聞き込みをする中で、防空壕は一般的には大きく分けて2つ

・個人シェルター的な役割の、個人敷地の地下に自ら作ったケース
・自治体や当時の日本軍など、第三者からの指導・指示により作ったケース

この2つが存在するとの事でしたが、今回の場合では行政にも、町内にも、売主宅にもどこにも記録が存在せず、誰の所有かは不明のままでしたが、規模的にも、どこにもつながっていない事からも個人シェルター的な防空壕だったのではないかと推測されます。

防空壕は文化財にあたるのか

今回の調査にあたり、他府県にも確認を取りましたが、一部の地域では「埋蔵文化財包蔵地域内」であれば、防空壕を発見した場合届出が必要という自治体もありました。
遺跡などの文化財が埋まってそうな地域のこと

そこは「埋蔵文化財包蔵地域外」であっても、一報は欲しいとおしゃっておられました。その行政のHPをみてもどこにも明文化はされていませんでしたが、「戦時遺跡」としての調査が必要との見解でした。

一方、今回の該当地域では「防空壕は誰のものであっても文化財には該当しない」ので、届出自体不要という見解(回答)でした。
※行政によっては(例えば東京都北区や広島県安芸高田市など)積極的に、発見した場合はお知らせください、という案内をしていたります。

今後どうすればいいのか

まずは行政に確認して、届出が必要なのかどうかの確認が必要です。
場合によっては、「文化財(戦時遺跡)」に該当する可能性がありますので、ご自身でどうにかする前に、行政に相談をしてみましょう。
地域によりますが、「文化財保護課」「建築指導課」に近い名前の部署が相談先になると思います。

今回調査の中で、「行政や軍など、第三者の要請で防空壕を作った場合は、埋め戻しの費用は行政が負担出来る場合がある」というところもありました。

今回のケースでは文化財に該当しないため、改めて家を建築するのならば、自身の費用負担で「埋め戻し」をする必要があります。
幸いにAさんは不動産業者であっため、コネクションで普通よりも安く埋め戻しをすることが出来(約200万円ほど)、その後無事に建築をすることが出来ました。(地盤補強等でもう少し費用はかかっていますが。)

土地は防空壕よりも文化財が出てくるケースが多い

不動産屋とすれば、どこかに、「防空壕の位置が記録されている資料」的なものが行政に保管されていれば、事前にその事をお伝え出来そうなのですが、調べた限りでは存在しなさそうでした。(戦時機密もあったのでしょうか)

実際には、防空壕が出てくるよりも普通に文化財が出てくる可能性の方が高いと思います。

戦争を体験していない私ですが、本当にその一部だけになりますが、ろうそくの残骸を見て、空襲への恐怖を少しだけ垣間見た気がしました。

ではまた。

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この記事を書いた人
エネミー伊吹
エネミー伊吹

40代前半の現役不動産屋。20年以上不動産に携わる。
大学卒業後、住宅メーカーに就職し1年目に全国新人トップを取る。その後自身で設計をし、実家を建て替える。
20代後半から賃貸会社に転職し、不動産のマーケティングを担当する。
現在は仲介不動産会社に勤め、年間200件前後の不動産に携わり、毎年100組以上のお手伝いをする傍ら、ブログを書く日々を送る。
いちごを育てながらカステラを自分で焼く。甘党。

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