再建築不可物件でも住宅ローンは借りられる?【無担保住宅ローンとは】

不動産「購入編」

売却されている物件の中には再建築不可物件というものもあります。

再建築不可物件は、住宅ローンは原則使えません。
再建築できませんので、流通性はほぼ皆無であり、担保価値が無いから当然と言えば当然です。
土俵にすら乗りません。

ですから現金購入の方にしか購入出来ませんし、不動産屋からするととても売りにくい物件です。

しかし今回、ご案内の結果、是非再建築不可物件でも購入したいというご意思をいただきました。
資金計画的に住宅ローンの利用が必須だったので、駄目もとで各銀行に当たることにしました。

現在、銀行もリバースモーゲージなどを積極的に展開し、新しい収益の道を探っています。

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もしかしたら、借りれないと思い込んでいるだけで、新たな道があるのかもしれないと当たることにしました。

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結論:住宅ローンは使えなかった、しかし「無担保住宅ローン」なら可能性あり

残念ながら住宅ローンを利用する事は叶いませんでした。
私のいるエリアで知っている限りの金融機関に相談をしてみましたが、やはり

金融機関
金融機関

再建築不可では無理です、すいません。

という答えしか返ってきませんでした。

ちなみに今回の不動産は価格は2,000万円で概要は

・○県□市の駅から近い中心部の好立地戸建
・昭和50年築(建築確認なし)
・非接道(前面は他人所有の「通路」であり、「道路」ではない)
・建蔽率も40%に対して45%と超過

立地以外はとても厳しい条件が並んでいます。

ただしお客様自体の属性は良好であり、優良企業勤務10年以上、年収1,000万越えで、自己資金も1,000万円であったため、借りる金額もそう多くはないため、その属性を頼りにしてみました。

しかしそれでも住宅ローンは利用することは出来ませんでした。

(参考)再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、文字通り、今家が建っていたとしても次は再建築が出来ない物件の事です。
例えば、(建築基準法上の)道路に接していないとか、接道していてもその幅が2mないとか、市街化調整区域であるとか理由は様々です。

幅員4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接道していないと家は建築できない

建築基準法第42条・43条

でも、今、家建ってますよね?

という風にお思いかもしれませんが。それはあくまでも当時の事情で建築されているので、今となっては当時の建築出来た事情は関係ありません。

※例えば建築基準法が出来る前だとか、建築後土地の一部の他人に売却した結果接道しなくなったとか、当時が特例で建築したなどなど。

今建っているという事実があるから、接道していなくても次新たに建築できるという理由にはならないのです。

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「無担保住宅ローン」なら、再建築不可物件でも可能性はある

今回は大手有名銀行から、地方銀行から、信用金庫から、フラット35から、知っている銀行には手あたり次第問い合わせてみました。

しかしどこの銀行に聞いても、

忙しそうな金融機関
忙しそうな金融機関

再建築不可で、住宅ローン?正気ですか?

くらいの勢いで、秒であしらわれ断られました。(誇張表現有)

しかしそんな中でも一部の銀行は

金融機関
金融機関

「無担保住宅ローン」などどうでしょうか?

と提案をしてくれました。

伊吹
伊吹

無担保住宅ローン?

住宅購入に際して、一般的にみなさんが利用されるのは、「担保」が必要な住宅ローンですが、、担保が不要な「無担保住宅ローン」というものもあります。

「無担保住宅ローン」は住宅ローンと比べて金利がやや高目です。(担保取らない分当然と言えば当然です。)
さらに借入額の上限が低く、借入期間も短いなどの制限がありますが、リフォーム費用やセカンドハウス購入費用など、さまざまな用途で利用することが出来ます。

「無担保住宅ローン」とは?

「無担保住宅ローン」は、その名前の通り土地や家を担保に入れることなく、融資を受けることが出来るローンです。

一般的な住宅ローンは、金融機関は不動産を担保として押さえます。
万一、住宅ローンが返済出来なくなった場合には、利用者の不動産を差し押さえ、回収出来るように、です。

ですからローンの審査で担保評価を厳しく見ているのは、万が一の時にしっかりと回収できるかどうかを見極めているからなのです。

しかし「無担保住宅ローン」では不動産を担保に取らない代わりに、本人の属性(勤務先・勤続年数・収入等)のみが審査対象になります。

今回は属性が良いお客様だったので、銀行側もそういう提案をしてくれたのだと思います。

住宅ローンとの違いは?「無担保住宅ローン」の特徴

金融機関によって条件は異なりますが、住宅ローンとの比較すると分かり易くなると思いますので、大まかなイメージでお話をしていきます。

金利が高い

変動金利で1.7~2.2%程度であることが多いです。
昨今ネット銀行だと0.4%かというところもある住宅ローンに比べると高めです。

※ネット銀行の金利についてや、不動産がおススメしない理由などを別記事にしてあります。

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借入期間が短い

通常の住宅ローンの最長35年ですが、「無担保住宅ローン」はそれよりも短い10~15年程度までしか借りることが出来ません。

当然先ほどの金利と合わせると毎月の返済額は大きくなりがちです。

借入限度額が低い

限度額を設定している金融機関が多く、1,000~2,000万までというところが多いです。

取扱金融機関が限られている

金融機関であればどこでもこの「無担保住宅ローン」を取り扱っているわけではなく、一部の金融機関のみでしか取り扱いがありません。

融資までの審査スピードが速い

無担保住宅ローンでは、担保評価をする必要がないため、その分の審査の項目が減り、審査のスピードは早い印象があります。

抵当権設定費用が不要

無担保のため、土地・住宅の抵当権設定が不要になります。
抵当権設定のための登記費用がかからないことはメリットになり得ます。


こういった特徴のある「無担保住宅ローン」ですが、通常の住宅ローンが利用できないけれど、どうしてもその不動産が欲しいとなった場合には、選択肢の一つとして検討しても良いかもしれません。

実は条件付きで住宅ローンの審査が受けられる?

実は今回のケースではないのですが、別の再建築不可物件でとある銀行が

とある銀行
とある銀行

「43条但し書き」で周囲のお家が建築されているのが確認出来るのなら、「住宅ローン」で審査できるかもしれませんので、お調べいただけませんか?

と言ってくれたことがあります。

また、聞きなれない言葉が出てきましたね。
43条但し書き(ただしがき)と読みます。

43条但し書きによる建築許可の可能性

「43条但し書き」についてなるべく簡単に説明をしますと、

建築審査会の許可を受けることにより、建築を認められる可能性がある道のことを「43条但し書き」道路(正しくは道路ではないので通路ですが)という

つまり、本来建築基準法上の道路ではない「通路」ですが、条件次第では「道路」と同じ扱いにしてあげので、再建築できるよ、ということです。

行政により、条件は様々ですが例えば

  • 平成◎年当時に全面通路の幅員が1.8m以上あった
  • 昭和◇年当時の航空写真で家が存在していたことが確認できる
  • 通路の奥行きが△△m以内である
  • 通路所有者全員の承諾がとれる

などなどの条件が揃うと、各行政にある建築審査会が「受け付け」してくれます。
「受付」なので、条件が揃ったからと言って必ず許可されるわけではありません。

そして結論は、具体的なプランを建築審査会に提出(建築確認申請の事を指す行政が多い)しないと分からないのです。

非道路のイメージ
             非道路イメージ

ですから、不動産屋は、再建築不可物件の時には当然調べてはいますが、万が一この条件が揃っていたとしても、よっぽど馬鹿な不動産屋でなければ、「43条但し書きにより再建築可能」とは書きません

可能かどうかが分かるのは、引き渡し後になるからです。
※建築確認申請は原則土地の所有者でないと出せないため。つまり引き渡し後でないと出せない。

引き渡した後に、43条但し書きの許可が下りなかったのでやはり再建築できない、ではとんでもなくトラブルになるのは目に見えています。

更に、一度許可を受ければ将来も建築できるという訳ではなく、建築の度に建築審査会の許可を得なければならないという特徴もあります。
一度「43条但し書き」道路として許可が下りたとしても、同じ場所であっても次も必ず許可が出るとは限らないということですね。

※ちなみに2018年に建築基準法の一部が改正され、これまで特例許可の実績があるものについて、あらかじめ行政にて定めた基準に適合すれば、建築審査会の許可を不要とするという話もありますが忘れてもらって結構です。


銀行より同じ通路沿いで、43条但し書きを使って建築されているお家が他にあれば、今回の不動産でも再建築できる可能性があるので、それであれば、通常の住宅ローンと同じ扱いで事前審査をしてみますよ、という意味なのです。

ですから、諦めてはいけないという事例でもありますね。 

本当はこの銀行がそう言ってくれたと、名前を出したいのですが、全国にあるわけではありませんし、当然不動産の立地や状態にもより、必ず再建築不可でも大丈夫という訳ではありませんので名前は出しません、ご容赦ください。

まとめ:再建築不可の物件は、知識のある不動産屋と銀行を選ぶべし

「無担保住宅ローン」でも「43条但し書き」でも、不動産屋に知識が無ければ到底たどり着けない購入への道となります。

再建築不可物件について、興味がある時には不動産屋に、

「無担保ローン」や「43条但し書き」について教えてください。

と聞いてみて下さい。そこで

むたん、、ぽ?、43条ただし?かき??

などど、怪しい答えしか返ってこなかった場合は、その不動産屋は要注意です。
出会えるはずの金融機関に出会えないどころか、仲介手数料を支払うだけの価値があるかどうかも怪しくなります。

今回は「無担保住宅ローン」という新たな可能性・選択肢についてお話をしました。


【メリット】
・通常の住宅ローンを利用できない場合に、無担保住宅ローンなら融資を受けられるかも
・インテリア・家電購入費用などにも利用でき、資金用途が広い
・審査が早い
・抵当権設定が不要で、その手続きに必要な費用がかからない

【デメリット】
・金利がやや高い
・借入期間が短い
・借入限度額が低い
・属性に関する審査が中心(属性が全て)

無担保住宅ローンを検討の際には、これらのメリット・デメリットをよく理解しておくことが必要です。
また、無担保住宅ローンの場合でも、金利比較だけでなく、手数料など諸費用を含め総合的に判断する必要があります。

他にも住宅ローンが利用できない不動産の特徴を記事にしてますので、ぜひご覧ください。

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気に入った不動産が再建築不可物件だった、としても諦めることはありません。

そのためにも知識や経験がある不動産屋に当たりたいですね。

ではまた!

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この記事を書いた人
エネミー伊吹
エネミー伊吹

40代前半の現役不動産屋。20年以上不動産に携わる。
大学卒業後、住宅メーカーに就職し1年目に全国新人トップを取る。その後自身で設計をし、実家を建て替える。
20代後半から賃貸会社に転職し、不動産のマーケティングを担当する。
現在は仲介不動産会社に勤め、年間200件前後の不動産に携わり、毎年100組以上のお手伝いをする傍ら、ブログを書く日々を送る。
いちごを育てながらカステラを自分で焼く。甘党。

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