不動産売却を検討している皆さんが、まず知りたいのが「いくらで売れるの?」だと思います。
おそらく多くの方が『不動産査定』を依頼をして、不動産の査定額を知ろうとするはずです。
自分の不動産がどれでけ価値があるか楽しみでもあり、不安でもありますよね。
しかし査定を頼んで、査定額を聞いてみたら、本当にバラバラなことが多くありませんか?
「どうしてこんなに安いの?」
「どうしてこんなに高いの?」
これには理由があります。
今回は、ここ数年毎年60件以上の査定のお手伝いをしてる私が、不動産査定の真実についてお伝えします。今査定をされている方、これから査定を依頼しようとしている方は見てみてください。
査定額が高い=評価高いではないという事が分かります。
結論:査定金額=おべんちゃら価格
まず、、
査定金額が適正な相場価格
になっていない事が多いのです。

乱暴な結論ですが、多くのケースでは
査定金額=おべんちゃら価格
になってしまっているケースが多々あります。
あなたが「この査定額安すぎ!」と思ったところが実は一番適正な価格なのかもしれません。
査定金額が吊り上がる原因は一括査定にあり
なぜそんなこになってしまうのか。
理由は簡単です。
往々にして皆さんは色々なところに査定を依頼するからです。
いわゆる最近よく見る『一括査定』というやつです。
「色んな不動産屋に見てもらって、より高い査定額が出るといいな」
と思うことは当然のことなので、そこを責めるつもりはありません。
でも、なぜ一括査定や複数社に査定を依頼すると、どんどん値段が吊り上がるのか。

査定金額とは本来3か月程度で売却可能な金額
そもそも査定金額とは
《売却してから概ね3か月以内に売れる金額》
であるべきと言われています。
※不動産屋さんに売却を依頼した時の契約期間は、3か月が上限と決められているためです。
いわゆる【相場】というやつですね。
とはいえ、実際に売却してみないとわからないのも事実です。
だからまずは出来るだけ3か月(~半年)以内には売却をするために、目安となる金額というのが査定金額なのです。
一番高い査定金額を出したところが、一番評価してくれているという風潮
通常不動産の査定は、「比較事例法」と言って、周辺での成約事例を基に、同じ土俵の場合にいくら、という算出方法があります。

ですから、本来何社に査定を頼もうとも
「あなたのお家は2000~2200万円なら売れるでしょう」
という査定金額は、本来どこも概ね同じ金額になるはずなのです。
(だって、周辺で過去に実際に売れた事例は、誰が見ても不変だから)
しかし実際は一番高い金額を出したところが、一番評価してくれている、という風潮があるため不動産屋はこう考えます

- 「今回は一括査定だ、他社と査定金額を比べられるはず」
- 「本当は2,000万円くらいだな」
- 「でもそれではみな同じ金額になってしまう、、、、」
- 「万が一他社より低い金額にでもなって、低い評価をしたみたいになるのは嫌だ」
- 「となると少しでも高く出さないと負けてしまう」
- 「まぁ、まずは高い金額で売主様に気にいってもらうことが先決だ」
- 「売却を任せてもらって、売れないようなら、徐々に値下げしてもらおう」
- 「最悪売れなくても、困るのは私ではないから、、、」
この結果、査定価格は「適正な金額」からどんどん高くなり、、
「よし、うちの査定金額は3,000万円でいこう!」
となるのです。
違うのです。それではダメなのです。
この金額、、、本当に売れますか?
その査定金額は、往々にして残念ながらご自宅を高く評価したものではありません。
査定はオークションではない
あなたのお家を「この金額で買い取ります!」というオークションであるならば、一番高いところを選ぶのが最善でしょう。
でも査定はオークションではないのです。
売れなかったからと言ってその不動産屋は責任は取ってくれませんし、その金額で買取ってはくれないのです。
相場より高くても運が良ければ売れるかもしれません。
でもそんなケースは残念ながらごく稀です。
相場より高値で売却した結果、長期化する
一般的には相場より高く売りだした場合、売れるまでには時間がかかります。
※査定金額と販売期間の関係についてはコチラの記事をご覧下さい

長期化すると、
- 家は経年劣化が進み、
- 近所からは「あの家まだ売れないんだって、、」と噂になり、、
- 売れたら○○するんだ、が実行できず、、、
- 近所から「高すぎるんじゃないの?」とまた噂をされ、、、、
その内だんだんと心がすり減ってきます。
何も悪いことはしていないのに、、
そして困って不動産屋に相談にいくと、
「そうですね、相場より高いですね、値段を下げましょう」
とか平気で言われるのです。
チョットマテ、
その金額、そちらが売れると出した査定金額ではないのですか?
適正価格を知るための3つの対策
みなさんが知りたいのは「本当に売れる金額」のはずです。
だから最初の査定の依頼の時にこう言うと過剰な争いは避けられるはずです。
“弱”「3か月以内で売れる金額を知りたいです。」
“中”「もし3か月で売れなかったら、契約の更新はしません」
“強”「売れなくて値段を下げるのも仕方ありませんが
その場合責任を取って
仲介手数料を減額していただけるんですよね」
これで大抵の不動産屋は必死に正確な査定金額を出してくれるでしょう。
おべんちゃら金額だと分からず相場よりかなり高く売り始め当然高すぎて売れずに周りは売れていくのに売れ残って売れないからどんどんどんどん値段を下げていく。でも売れ残り感が出てしまい市場から足元を見られ結局最後売れた金額は最初の一番低かった査定金額よりも下の金額。
なんてことを沢山見てきました。
こんな言葉を聞ければ信頼できる

相場でいうと、売れそうな金額はあくまでも2,000~2,200万円くらいです。
でも、今は周りに競合物件が出ていないから、売却時間に余裕があるのならば相場より高くチャレンジしてみませんか。
不動産屋がこうやってさえ言ってくれれば、あとは自分たちでどうするか考えられるのです。
単純に、気に入ってもらいたいだけの相場から乖離した金額なのに、その事を教えてくれないから分からないのです。
だからこんな感じの言葉が聞けたら、きっと良い不動産会社(担当)です。
でも、どの不動産屋も他社に負けたくないから、高い金額ばかり強調するのです。
失敗しない査定とは「適正な査定額を知る」こと

大切なのは
正しい査定金額(=相場)を知り、相場を理解した上で、売却のスピード感を考える。
不動産屋を軍師・参謀にして戦略的に販売を開始することです。
こうすれば、万が一売れなくても、「なぜ周りだけ売れて、私の家だけ、、」
と無駄に心がざわつくことも少なくなると思います。
査定金額を知ることは、失敗しない不動産売却の大切な入口です。
まずは売却に関して、不動産屋に惑わされず、自宅の適正な金額を知りましょう。
ここを見たあなたの査定金額が「適正」でありますように。
ではまた。