【買ってはいけない】不動産屋が買わないマンションの特徴5選

不動産「購入編」

不動産の仕事を長くやっていると、よく聞かれます。

不動産屋さんからみて、どんなマンションなら購入したいですか?

伊吹
伊吹

えーとですね

安くて、広くて、綺麗で設備が充実していて、維持費が安く、景色が良く、便利で、駅が近いにも関わらず、静かなところです!!

みなさんと同じです!

(全然参考にならない、、、、、)

どんなマンションが良いのかは、やはり各自の価値観によりますし、家族構成や予算、その他優先順位によって変わってきますので、もし聞かれたらこのように答えるしかないのです。

よく「マンションは管理で買え」といわれます。
しかし、管理の状態などは簡単に判断することは出来ませんし、管理が悪いマンションは、それこそ管理会社ごと変わることもありますし、管理というか住民のモラル次第なところもあったりしますので、「管理で買え」は正論ですが、一般の方に判断基準を提示するのは難しいと思ってます。

しかし、長年色々な取引をしてきた結果、「買いたくない」、いや、「買ってはいけない」マンションの特徴なら分かるようになりました。

今回は、不動産歴20年以上、年間50件以上のマンションの仲介もしたことがある、現在マンションの理事長である私が、
「不動産屋が買わない」マンションの特徴についてお話いたします。

見ていただければ、どんな特徴を持ったマンションは買うべきではないのか、分かります。
選択肢を絞ることに役立つので、より選択に時間をかけることが出来ます。

おまけで投資用マンションについても述べています。

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結論:自分の力ではどうしようもないマンションは買ってはいけない

不動産屋は、自分の力ではどうしようもないマンションは購入しません。

  1. バルコニーにネットが張ってあるマンション
  2. マンション全体の滞納額が多いマンション
  3. 借地権マンション
  4. 築25年以上のマンション
  5. 新築マンション

逆に、水回り設備が古い、やフローリングの劣化が激しい、壁の汚れ・破れがひどいといったようなことであれば、最悪交換すれば済みますので、お金で解決が出来ます。

しかし、上記5つについては、自分の力ではどうしようもない要素を含みます。
一つずつ解説をしてきます。

バルコニーにネットが張ってあるマンション(鳥害リスク)

中古マンションを外から見たときに、バルコニーにネットが張ってある(覆っている)マンションがあります。

その場合考えられるのが、「鳥による被害」対策で、ネットを張っているという事です。
一部屋だけならまだしも、多くのバルコニーにネットが張ってあれば、それだけ多くの世帯で鳥害に困っているということです。

おそらくハトやカラスの糞で洗濯物が被害にあったり、バルコニー内の家庭菜園の野菜などへの被害だったりするとは思いますが、これはやはり見栄え的にもよくありませんし、鳥たちに気を使いながら住むのは大変なストレスです。

超音波や光で撃退するグッズやキラキラの吊るすものなど、個人で対策できるものもありますが、地域的な特性か、マンションの立地か何かは分かりませんが、とにかく鳥がやってくるマンションなのです。

個人でできる対応には限界があり、自分の部屋が対策していても、他の部屋が対策をしていなければ上からフンが落ちてきます。

マンション全体で具体的な対応が検討されていない限りは、買ってはいけません。

マンション全体の滞納額が多いマンション(金銭・維持管理リスク)

マンション選びにおいて、資料のどこにも記載はされておらず、ネットにも記載がない、やっかいな問題です。過去に何度か記事にしています。

マンションの滞納額が多いというとは、今後のマンションの維持管理や大規模修繕に支障をきたすということです。

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滞納額やその規模によっては、今後の維持管理や一時徴収金など、正直者が馬鹿を見る結末にもなりかねません。

戸数に対する額や、滞納の解消予定(競売・任意売却・退去)等目途が立っていないようであれば、買ってはいけません。

借地権マンション(期限リスク)

借地権マンションとは、土地は他人(地主)の敷地であり、土地を借りてその上にマンションを建築している形になります。
多くはとても希少性が高く、利便性が高い立地です。(地主からすると手放したくはないが、活用したいケース)
もしくは、本来マンション用地ではない場所などです。
※京都では例えば、下賀茂神社の中にマンションが建築されていますね。

ですから、毎月地代が別途発生します。マンション全体として毎月地主へ払うのか、各部屋が毎月一定額を地主に支払うのかはマンションによります。

※少し難し話になります、飛ばしてもOK

借地権には、「普通借地権」と「定期借地権」とがあります。平成4年に施行された借地借家法以前に建築されたマンションには、現在でも旧法借地権が適用されます。

普通借地権(旧法借地権)は、借りる方に有利な権利であり、地主の一存で更新を拒否されることはありません。
しかし、定期借地権は原則更新出来ず、期限が到来したら更地に戻して地主への返還が必要です。

つまり定期借地権の中古マンションは、期限が定められており、更新が出来ず、契約満了時には更地で土地を返還しなければなりません。

借地期間の期限が近付くほど(残り期間が少なくればなるほど)
資産価値は激減
売却も困難になります

そりゃそうですよね、例えば、残り3年後に確実に壊さないといけないマンションを誰が購入するでしょうか。

また、普通借地権の中古マンションの場合は、更新料がかかります。
多額になることもありますので、事前の確認が必要です。

そして、借地権付き中古マンションの更なるデメリットは所有権マンションに比べて住宅ローンの融資が受けにくいということです。
もし、銀行の審査が下りたとしても、「承諾書」に地主から記名押印をしてもらうことが条件になります。
※銀行とすれば地代が滞納され借地契約が解除になれば、担保価値がなくなってしまうので、「ローンを貸した住人が地代を滞納したら契約解除しないで、先に銀行に教えてね」という書類です。

また、借地権の中古マンションを売却する際にも地主の「譲渡承諾」が必要です
契約内容によっては、「譲渡承諾料」が発生(売主負担)になるケースもあります。

ともかく、ややこしいので、「借地料を毎月払ってでも、この土地に住みたい!先のことはその時考える!」という人以外は買ってはいけません。

築25年以上のマンション(寿命・ローン控除リスク)

築25年以上のマンションは原則「住宅ローン控除」が利用できません。
またマンションの耐用年数的にも3分の1以上が経過していることになります。

マンションの寿命についてのお話は別記事にしてありますので、合わせてご覧下さい。

マンションはいつまでもつ?【マンションの寿命と耐用年数】
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住宅ローン控除については、「耐震基準適合証明書」が取得できるマンションであれば築25年以上でも利用できるようになりますので、不動産屋に確認をしてみて下さい。
取得には7~10万円程かかり、原則買主負担にはなりますが、それ以上の金額的な大きなメリットがあります。

※他にも「耐震基準適合証明書」があれば、以下のメリットがあります

  • 住宅取得等資金贈与の特例
  • マイホーム取得資金の相続時精算課税の特例
  • 登録免許税軽減の特例
  • 不動産取得税軽減の特例
  • 固定資産税の減税措置

「耐震基準適合証明書」が取得出来ないということは、現在の基準では耐震性に問題がある可能性が0ではなく、数々の税制の恩恵や優遇が受けられずに出費が大きく増える、ということです。

現金で一括購入の場合か、「耐震適合証明書」が取得できない場合は、買ってはいけません。

新築マンション(住民・価格リスク)

そもそも私は「初めてマンションを購入するなら中古マンションを購入すべし」、という記事を書いています。

初めてのマンションは「中古マンション」をおススメする理由10選
皆さんがマンション購入の際に、最初に検討されるのは「新築マンション」だという方がほとんどではないでしょうか。かくいう私も15年前に既に不動産業界に居ながらも、ふらふらと営業さんの上手いトークに乗せられて新築マンションを購入した人間の一人で...

新築マンション自体にケチをつけるつもりはありません。
かくいう私も新築マンションを若い時に購入しました。

しかし、新築マンションの一番怖いところは、「どんな方とご近所になるか分からない」ということです。

戸建てに比べて近所付き合いは比較的少ないとはいえ、個性的な方や音に神経質な方、モラルの低い方が近くにいれば、ストレスになるかもしれません。

私は運がよく素敵な方に囲まれていますが、お客様の中には実際に新築に引越したら、隣の方が精神的なご病気を持っていらっしゃる方で、夜中に壁をどんどんと叩いてくるといった例がありました。

もちろんこれは使用細則違反になるため、管理総会で一定数の承認を得れば「使用停止命令」が出せますが、そもそもお隣といきなり揉めてまで議題に上げて、果たして新築で人間関係も出来ていない中どこまで住民が協力してくれるのか、不安な面があります。

様々なやるせない葛藤の中、現在では残念ながら売却に出されていますが、売却理由が近隣住民(とのトラブル)のため、ずっと買い手は見つかっていません。

中古であれば、事前にある程度は確認出来ますので、そういったリスクを少しでも減らすことは可能です。別記事にもしていますので、ご覧下さい。

マンションの危険な住民の見分け方【外から見るだけでトラブル回避】
皆さんは中古マンション購入の際「どんな方が同じマンションに住んでいるか。」という点は、とても気になりますよね?私は、中古マンション購入のメリットの一つとして「後出しじゃんけん」が出来るという利点があると思っ...

また新築には新築プレミアムの価格になっているため、全て新品が良いという方は、その新築プレミアムで上乗せされた価格で購入することになります。

日本人は中古よりも新品を好む傾向にあり、新品であることに価値を見出します。マンションも同様に「未使用」ということに値段がつけられます
しかし住んだ瞬間からその価値は無くなってしまい、中古で査定を依頼したら思いの他下がっていた、というのはこのプレミアムが失われた結果なのです。

しかし中古でも、設備や表面を全て改装すれば極論同じことですし、新築時には必要な「修繕積立基金(準備金)」も必要ありません。
※新築時には修繕積立金が全く積み立てられていないので、最初にまとまったお金を支払います。途中で売却しても返ってきません。

また新築の価格が今後も下がりにくいと感がられる4つの点について別記事にしてありますので、ご覧下さい。

今後新築マンション価格が下がらない4つの理由#2021年度版【今買うべき?】
今新築マンションの購入を検討されているあなたは、ここ数十年、平均価格が上がり続けているのをご存じですか?データを取り始めた1970年以降、基本的に平均価格は右肩上がりで上昇を続けています。ここであなたがビックリするデータをお見せし...

新築は「とにかく新品!この立地でこの間取りが未使用で、少々金銭的に負担があっても絶対に欲しい」という人以外は買ってはいけません。

おまけ:投資会社の造ったワンルームマンション(利回り優先リスク)

こちらは買うべきではない、程ではありませんが、経験上危険な匂いがするということでおまけでお話をします。

投資用不動産会社が作ったマンションも出来る限り「居住用としては」避けたほうが良いと思います。
理由は以下通りです。

理由

すべてが利回り重視のため、間取り・設備・住みごごちは優先順位が低く、管理費も押さえられがちで維持・メンテナンスにリスクがある

投資用物件は基本的に投資家が持っていた部屋になります。
投資家は自分が住まないため、その部屋には興味がないとまでは言いませんし、思ってもいません。賃貸として貸すためには、地域の需要にあった間取りである必要があり、関心がない投資家であれば失敗するからです。

しかし投資目的の物件は、利回りが最も重視されます。少しでも高く売ることが目的なので、管理費・修繕積立金を極端に安く設定しているケースがあります。

管理費は管理員の人件費やメンテナンスに必要な費用ですが、必要な費用が足りなければ管理が行き届きませんし、積立金が足りなくなるようなケースに陥れば前述の通り維持メンテナンスに支障をきたします。

全部とは言いませんが、経験上投資系不動産会社が建てたマンションは、
最初だけ良ければよい、長い目で見て造られているかどうか疑問
という傾向がありますので、よく確認をして下さい。

まとめ:リスクが自分で回避できないマンションは買ってはいけない

  1. バルコニーにネットが張ってあるマンション(鳥害リスク)
  2. マンション全体の滞納額が多いマンション(金銭・維持管理リスク)
  3. 借地権マンション(期限リスク)
  4. 築25年以上のマンション(寿命・ローン控除リスク)
  5. 新築マンション((住民・価格リスク)
  6. おまけ:投資会社の造ったワンルームマンション(利回り優先リスク)

いずれも、リスクを自分の力で回避できないマンションです。

上記のマンションが全てダメとも言いにくいですが、実際に購入した後、もし何かトラブルが起きたとして自己責任で対応出来ないマンションならば購入し辛いです。

要するに、将来売る時にその売却理由が

  • 鳥害があるので売ります
  • マンション全体で積立金が足らなくて、一時金があるかもしれないので売ります
  • あと3年で解体して更地になるので売ります
  • 住宅ローン控除が使えないですが売ります

といった、売却がとても難しくなる要素があるマンションは買うべきではないということなのです。

自分ではいかんともし難い、さらに売りたくても売れない、こうならないためにも知識が必要です。
不動産購入で失敗しないためにも、少しでも役に立てば幸いです。

ではまた!

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不動産「購入編」
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この記事を書いた人
エネミー伊吹
エネミー伊吹

40代前半の現役不動産屋。20年以上不動産に携わる。
大学卒業後、住宅メーカーに就職し1年目に全国新人トップを取る。その後自身で設計をし、実家を建て替える。
20代後半から賃貸会社に転職し、不動産のマーケティングを担当する。
現在は仲介不動産会社に勤め、年間200件前後の不動産に携わり、毎年100組以上のお手伝いをする傍ら、ブログを書く日々を送る。
いちごを育てながらカステラを自分で焼く。甘党。

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