不安と期待を胸に、新しい社会人生活(もしくは会社生活)のスタートと切る新入社員にとって、「いかに早く会社に馴染めるか」というのは一番の心配事ですよね?
入社後の研修を終えて、実際に各店舗(センターや事務所)に配属されます。周りにいる先輩社員から信頼を得るために出来ることは何でしょうか?
調べてみるとサイトによっては「ひたすら電話しろ」とか「ひたすらチラシまけ」とか前近代的な肉体酷使的アドバイスもみかけますが、そういったことはここでは言いません。私は楽して稼ぎたいから不動産屋になったのです。
否定もしませんが、例えば賢い仲介不動産会社ではチラシを基本的には撒きません。
チラシを作成⇒印刷が手間なうえ、99%以上がゴミと消え非効率です。特に分譲マンションでは禁止されているところが多く、無理に撒こうとすれば不法侵入を助長することになるからです。
※そして撒かれたチラシは実は嘘だらけとか、、
その分インターネット広告やSUUMOなどポータルサイトへのオプション掲載(検索上位に来やすい)に予算を振り分けています。
(話したこともない顧客リストの中から)ひたすら電話しろ、なんて今どきのスマートな営業の仕事ではありません。
そんなものはアウトソーシングするか、逆にそういった仕事こそ暇な役職連中がやるのが「新卒が辞めない」今どきの賢い不動産屋です。
つまりお金のある不動産会社に入らないと楽して稼げないのですが、今回はどの会社でも関係なくできる方法を不動産業界25年の現役不動産屋の私がお伝えします。
結論:会社にかかってきた電話を一番最初に取る
周囲の先輩社員からの一番早く信頼してもらい、更に副次的な効果として仕事を早く覚えることができるのは
「会社にかかってきた電話を一番最初に取り続ける」ことです。
もちろんそう言われても

そうはいっても、仕事の内容はまだ分からないし、うまく対応できるか不安です、、、
と思うことでしょう。
でもだからこそ、そんな中で必死に電話対応を続ける姿勢が周りに評価されるのです。
そして電話のやり取りの中でいろいろと質問があったとしても、その姿勢を見ていればきちんと周りの社員も教えてくれるはずです。
電話対応のポイント
電話対応の要点は一つだけです。
誰からの電話かしっかり確認する
だけです。

そんなの当たり前では、、、
要件は聞かなくていいのですか?
と思うでしょうが、これが案外出来ないのです。「誰からの電話か」があいまいなまま繋いでしまうケースが多くあります。
要件は(向こうから言ってこない限りは)特に聞かなくても大丈夫です、相手も2度同じことを言うのは手間ですし、基本的には求めていません。
不動産屋にかかってくる電話は主に
・購入(賃貸)検討者
・売却検討者
・売主(オーナー)
・成約顧客
・他の不動産屋
・銀行
・広告代理店
・司法書士
・土地家屋調査士
・管理会社
・住宅メーカー
などなどです。
今までいろいろな新人(転職者)を見てきましたが、やはり最初は名前を覚えるのが難しいと皆口をそろえて言います。
また相手の声が聞こえ辛かったり、早口でよく聞き取れないことも多々あるのですが、なかなか最初は聞き返すのにも躊躇すると思います。
でもそこが一番の信頼獲得ポイントなので、「もう一度御社名(お名前)よろしいでしょうか?」と聞いて下さい。
「よく聞こえませんでしたが、たぶん○○からです、、、」はあまりよろしくありません。
なぜなら、会社にもよりますが、不動産屋はとても多くの方と取引や付き合いがあります。
当然すべてを完璧に覚えている人は少なく、名前を聞いて初めて「あーあの要件かな?」とか「あーあそこの物件のことかな?」と頭に思う浮かべながら電話に出るのです。
つなぐ相手が社内にいない(外出中)ことが多いのも不動産業界の特徴です。そんな時に曖昧なままでは折り返し先を間違うことにもなりかねません。
ですから手もとには「付箋(めも)」は必須です。
知らない会社名や名前は、次々と会話しているうちに忘れるものです。
幸い(?)にも不動産業界はアナログな業界なので、付箋(メモ・ポストイット)をPCに貼るのが一般的(?)です。電子メモでもいいのですが、2度手間になるので付箋派が多い印象です。
私が愛用しているものを貼っておきます。粘着弱いとせっかくのメモもどこかへ飛んで行ってしまいます、、
電話をたくさん取り続けると
慣れないながらも電話をたくさん取り続けると、
「この会社はどういったところと付き合いがあるか」
が分かります。
つまり同時に今後あなたが仕事でお付き合いすることになる会社(個人)でもあるのです。
そしてそれはその仕事の内容も絡んでくるので、対応を続けるうちに徐々に仕事を覚えると同様の効果をもたらします。
「習うより慣れろ」の典型的な例が「電話応対をたくさんこなす」ということなのです。
もちろん沢山間違うでしょうし、たくさん失敗するかもしれませんが、積極的に電話に出て対応する新人(転職者)を責めることは普通ありません。
そこで言葉の使い方や、言い回しなどその会社ならではの慣習や社会的ルールを学べるのです。
最初の内はなかなか接客もさせてもらえないことが多い中で、電話対応はなによりの実戦経験になるでしょう。
ずーっと当たり前のことを言ってるだけに見えるかもしれませんが、なかなかこれが出来る新人(転職者)は少ないのです。
やはり電話に出るのを最初はだれもが躊躇するのです。
だからこそ周り(同期)との差別化にもなりますし、信頼を得る手始めとなるのです。
おまけ:不動産屋にかかってくる変な電話
電話対応をたくさんしているといわゆる「変わった個性的な人」から電話がかかってくることがあります。
内容によっては腹が立ったり、怖かったりするかもしれませんが、後々の「話しのネタ」になります。
私が経験した変な電話の一例をあげると
・売主様の奥様の名前を教えてください。(奥様は売り物ではありませんのでお答えできません)
・御社の電話番号を教えてください(あなたはいまどうやってこの番号にかけているのですか)
・物件までフェラーリで行くのですが、盗まれたりされませんか?(分かりません)
・フェラーリが危なかったらポルシェでいきましょうか?(自慢ですか)
・ポルシェが危なかったらランボルギーニでいきましょうか?(言い忘れていましたが、駐車場ない物件ですが大丈夫ですか?)
・500万円値引きしてくれたら買おうと思います。(物件価格が500万なのでそれなら私が買います)
・昔その家に住んでいたものですが取り返したいです(その家は新築で、その前は畑だったのですが、あなたは大根か何かの霊ですか)
結論:積極的な電話対応が信頼獲得への早道
積極的な電話対応は新人(転職者)にとって、いち早く周囲からの信頼を得ることが出来る、認めてもらえる第一歩であり、電話マナーを見てもらえることは社会人としての
会話力の向上につながります。
また取引先や顧客からの電話対応は、いち早く仕事を覚える手助けとなります。
ポイントは「誰よりも早く出る」ということです。
社内で無理して元気さを演じたり、格好ばかりに気を取られるよりもずっと効果的です。
新しい会社入ってたーーーくさん覚えたり、しなければならないことも多々あると思いますが、その中でどの不動産会社でも一番簡単な方法をお伝えさえていただきました。
もちろんこれは初めの第一歩であり、これが全てではありませんが、それでも何年たっても、電話対応はいつでも自身の仕事の糧となります。
当ブログでは、不動産業界の裏側から、失敗しない不動産売却や不動産購入についてあれこれと書いています。興味があれば参考にしてください。

せっかく入った不動産業界で長く仕事ができるよう一緒に頑張りましょう。
ではまた!