来年から「成人」が18歳になるのはご存じですか?

え?じゃあ成人式は18歳から?
現在の20歳を成人とする扱いは、明治9年の「大政官布告」で定められ、現行民法でも長い間規定されてきました。なんと伊藤博文の時代に作られたものなんですね。

2020年には10年ぶりに民法が改訂され、不動産業界にも大きな影響がありました。
(瑕疵担保責任⇒契約不適合責任)
今回は成人年齢の引き下げと、これが不動産売買や、賃貸契約にどう影響するかを、既に成人式から20年以上が経ってしまった私がお話しします。(文章の権威性とは)
あ、不動産とはあまり関係ないかもしれませんが
・成人式はどうなるの??
・結婚は??
・酒・たばこ・ギャンブルは??
という疑問にも既婚で、成人式から20年以上(以下略)の私がお答えします。
18歳から不動産売買・賃貸借契約が親の同意なしの単独で契約可能
成人が18歳に引き下げられることにより、単独での法律行為が可能となります。
現状であれば18歳は未成年であるため、単独の契約行為は履行能力がないとされ、法定代理人(親等)の同意がなければ契約行為はできませんでした。
不動産で言うと実際問題、18歳や19歳で売買契約を締結する機会は非常に少ないものの、そういった場合に今後は、親権者の同意なしで、単独で契約をすることが出来ます。

ただし、不動産の売買というのは非常に高額のお金のやり取りになります。
まだ人生経験が豊富でない状態で、正確な判断が出来るかどうか、またそこに付け込んで悪徳不動産屋に騙されないか、カモにされないか。
これらに関しては不動産業界でも、今後も議論が取り交わされることとなります。
どちらかというと売買契約よりも、賃貸でのケースが現実的には多くなると思います。
例えば大学入学前に、大学近くの賃貸を借りるための賃貸借契約などが該当すると思います。
賃貸を借りるときにも、単独で契約が出来るようになりますので、従来の親による代理契約や、同意を得る行為が不要になります。
もちろん、今後も親権者の協力は不可欠ですし、実際の手続きにおいては、賃貸(管理)会社によって、引き続き親権者の同意や保証人といった手続きが必要なところもあるかもしれません。
※今後の業界の具体的な対応に関しは随時記事にしていきます。

何故20歳から18歳へ引き下げるのか
日本ではずっと20歳を成人としてきました。
しかし諸外国では18歳を成人とする国が多く、日本でも成人年齢を引き下げようとする動きが以前からありました。
平成27年には公職選挙法改正で選挙権の年齢が20歳から18歳に引き下げられ、その後の選挙でも初めて18歳以上の有権者による選挙が行われました。
そういった背景や流れを受けて、18歳を成人とする民法改正が施行されることになりました。
成人年齢の引き下げは、2022年4月1日より施行
成人年齢の引き下げは、来年2020年の4月1日から改正されることになります。
つまり新・成人式は2023年の3月(令和5年度)からになりますね。
、、、、ん?
成人式はどうするのでしょうか?

え?私その時20になるけど、
18歳だけで、私たちの世代は成人式なし???

いや、2023年は18歳・19歳・20歳と3世代の
大フィーバー同時成人式になるでしょう(キリッ
本当でしょうか?
成人式は今まで通り20歳という自治体がほとんど
全部の自治体を調べたわけではありませんが、見た限りほとんどの市町村は
従来通り、成人式は20歳から
としているようです。
※三重県の伊賀市等一部の自治体では18歳成人式をすると発表しています。

もちろん今後まだ時間がありますので、3世代同時成人式(まだ言うか)の可能性もあるかもしれませんので、ご自身の市町村のHPでよくご確認下さい。
結婚については18歳から可能(女性は16歳⇒18歳へ引き上げ)
民法の婚姻規定では
・婚姻は18歳にならなければすることは出来ない
とあります。
ただし、現行は男性18歳、女性は16歳という区別が廃止されます。
女性からすると16歳から18歳へ、婚姻年齢が引き上げられることになります。
そして18歳になれば、婚姻(結婚)に関しても父母の同意は不要となります。
成人になれば、お酒・たばこ・ギャンブルOK!?
現行法では「未成年の飲酒・喫煙」、「公営競技(競馬・競輪等)」は禁止されています。
これは今後民法で18歳が成人となっても、この年齢制限は解除されません。
間違えたらダメなので、ご注意ください。
私には既に見える、、、
2021年4月1日のニュースで
「18歳が飲酒で逮捕!」というニュースが、、、
成人であるため、責任は自分自身で追う事になる
18歳でも成人の扱いとなるため、法律行為に関して責任が生じることになります。
- 「難しいこと言われたけど、分からず契約をした」
- 「よく考えたら、一方的に不利な契約だった」
- 「年上の不動産屋の営業の勢いに押された」
- 「親から相続した物件を、相場よりかなり安く売らされた」
どういった理由であれ、責任を背負う必要が出てきます。(不動産屋がそこに付け入るのは最低ですが)
このブログでは、皆さんの不動産リテラシーを上げるために、出来る限り分かりやすく不動産取引について記事にしています。
失敗しない不動産屋取引のためにも、よければ色々と見ていってください。
今すぐに役に立てなくても、いつか役に立つ日が来ると信じています。


ではまた!